ふくやま草戸千軒ミュージアム 令和6年度早春の展示 「絵葉書にみるふるさとの近代」
掲載日:2025年2月1日
当館では、購入や寄贈により収集した明治時代から昭和時代にかけての絵葉書を約3000点所蔵しています。このほかにも、菅茶山(かんちゃざん)の子孫が伝えた「黄葉夕陽文庫」(こうようせきようぶんこ)の中に、同じ頃の官製はがきや絵葉書が多数含まれています。
これらの絵葉書の中には、明治後半から昭和戦前期の広島県内の様子を撮影した写真が多くあり、当時の風景や風俗、観光、行事などを伝えるものもあります。
例えば、写真2は、「(備後)福山久松城全景」と題するものです。葉書の形態から、大正7年(1918)から昭和8年(1933)までの間に製作されたと推定されます。
昭和20年(1945)8月の福山空襲で焼失した「天守閣」が右端に、現存する国の重要文化財「伏見櫓」が左端に見えます。これらの間にある2棟の建物の内、左の小規模なものは「御湯殿」です。「天守閣」とともに焼失し昭和41年(1966)に復元される前の貴重な姿を伝えています。
右の大規模なものは、明治21年(1888)に月見櫓跡に公会堂として建てられた「葦陽館」(いようかん)です。葦陽館では様々なイベントが行われ、その利用料が「福山公園」(現在の福山城公園)の維持・修理の費用に充てられました。
このように、展示会では、近代の広島県内の様子を伝えるものを厳選し、現在と比較しながら紹介します。変わらない風景と変わってしまった景色を御覧いただき、地域への理解を深めていただければ幸いです。
(ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)主任学芸員 木村信幸)
令和6年度早春の展示 絵葉書にみるふるさとの近代
【会期】1月24日(金)〜3月23日(日)
【開館時間】9:00-17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(ただし、2月24日は開館)、2月12日(水)〜14日(金)、2月25日(火)
【会場】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館) 1階 企画展示室
【入館料】一般290円(220円)、大学生210円(160円)、高校生以下・65歳以上無料
※( )内は団体料金(20名以上)
【関連行事】
1 開催記念講演会
日時:2月8日(土)14:00-15:30
演題:絵葉書から見える広島の近代
講師:県立文書館総括研究員 西向宏介氏
会場:草戸千軒ミュージアム講堂
※聴講無料・予約不要
2 展示解説会
日時:2月2日(日)・3月2日(日)13:30-14:30
解説:草戸千軒ミュージアム学芸員
※入館料が必要
【お問い合わせ先】
ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)
tel:084-931-2513 |
 写真1 展示チラシ
 写真2 (備後)福山久松城全景
 写真3 現在の福山城跡
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