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ひろしま夏の芸術祭メインコンサート 創作神楽 厳島

掲載日:2010年8月16日
 ひろしま夏の芸術祭のクライマックスを飾る、創作神楽「厳島」が9月5日(日)、ALSOKホールで開催されます。
 そこで、広島が誇る世界遺産「宮島」を題材に新たなる挑戦として創作神楽を企画・構成されました、NPO広島神楽芸術研究所石井誠治理事にお話をお伺いしました。

◆どのような思いで企画、構成され、なぜ厳島を題材にしようと思われたのですか?
 世界遺産として世界から注目されている「厳島」の成り立ちや歴史を、今や広島生まれの舞台芸術となった「神楽」で表現することを目標としています。
 古代より荘厳雄大な島へ平安時代の建築の粋を集め、正に自然美に人工美を加えて世界に類を見ないと言われる景観美を創造した平清盛の偉業を讃えると共に、いつの時代にも瀬戸内に生きる人々の「心のよりどころ」としての役割を果してきた「厳島」を伝統芸能・神楽によって検証したいと考えました。

◆特に力を入れたところ、見所はどこですか?
 演舞のはじめ、平清盛と妻・時子(二位の尼)が登場。そして最後のシーンにも登場します。これは、二位の尼・時子が壇の浦で、平家軍の最後の時、幼き安徳天皇を抱き入水しますが、いつしか時子の骸(むくろ)が、厳島の鳥居近くの岸へ着いたという伝説があり、現在そこには「二位の尼の碑」が建てられています。
 このことから、時子が厳島縁起のはじまりを告げます。そして、最後に波乱万丈の生涯を送った清盛・時子夫婦の魂は厳島へ帰り着き、互いを慈しみ合うことを物語ります。
厳島(いつくしま)=市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)=慈しむ・・・厳島の名前の由来をも連想させます。
 平家物語によって、天下の悪役のイメージの平清盛が、広島県人にとっては、有史以来最高の偉人であることに気付きます。

◆初めて神楽を見る方もおられると思うのですが、創作神楽と伝統神楽の楽しみ方も違うのでしょうか?
 神楽は、農耕儀礼のひとつとして生まれ、伝統芸能・民俗芸能に育てられ、今や広島の舞台芸術と言われるようになり、全国的な大会などで公演の機会が増えてきています。
これまで、伝統芸能と言われるまでには、常にそれぞれの演目の成り立ちや背景を知り、演舞に生かしていく改善・工夫が繰り返され、より感動的な舞台へと発展してきました。
「温故知新」の態度を持ち続けたことによって、伝統の神楽となったのです。
 現在県北の地域で舞い継がれる神楽の演目は、約60余りと言われていますが、その演目ひとつひとつが新たな挑戦であったに違いありません。
 今回、広島の神楽の歴史ではじめての創作神楽「厳島」に挑みますが、今、ドキドキ、ワクワクしております。

◆最後に県民の皆様に、アピールをお願い致します。
 わが郷土・広島の誇り「厳島」を「神楽」でお楽しみください。

大変ありがとうございました。
神楽の魅力がつまった「厳島」
どうぞ皆様も足を運んでみてください。


ひろしま夏の芸術祭 メインコンサート
創作神楽 厳島

9月5日(日)
開場13:00
開演14:00
会場ALSOKホール(県立文化芸術ホール)
前売券 S席 2.500円  A席 2.000円