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広島文化賞受賞者に聞く 〜森重昭さん

掲載日:2018年3月1日
お二人目は、歴史研究家の森重昭さん(広島市)です。


◆広島文化賞の受賞 おめでとうございます。 
 身に余る光栄です。広島文化賞についての資料を見て、この賞が長い歴史を誇り、立派な方々が受賞されていることを知り、改めて感激いたしました。本当に有難うございました。

◆『原爆で死んだ米兵秘史』を出版するに至った調査研究を始められたきっかけは? 
 8歳の時に被爆体験し、九死に一生を得ました。戦争が終わって30年間、あの時のことが書かれた書籍を私はいくつも手に取り読みましたが、そこに書かれた文章はあのすさまじい光景を目の当たりにした私に言わせればどれも生ぬるい・・・。本当のことを知りたいと思い、30代になって私は調査研究を始めました。

◆約20年という長い時間をかけて調査し続けた信念とは?
 撃墜され山口県玖珂郡伊陸(いかち)村(現在の山口県柳井市伊陸)に墜落した米国の爆撃機 ロンサムレディー号の元機長であるカートライト氏と20年間交流を続け、やり取りした手紙は100通を超えました。交流を続け、いろいろなことを知っていくうちに、私達が命を懸けて体験したこのことを後世に書き残したいという想いが強くなっていき、私は「戦争」 「原爆」 「命」 をテーマに平和の大切さを貫き通したいという意志をもって調査し続けました。

◆現在取り組んでおられることや今後に向けてひと言お願いします。
 原爆の本当の恐ろしさは後遺症にあります。被爆後何十年か経って癌や心臓病で亡くなるのです。これは原爆によって浴びた放射線によって遺伝子が傷つけられたことが原因なのです。一般の人が知らないこの事実を啓蒙していきたいと思っています。


ありがとうございました。
直近の予定をお伺いしましたのでお知らせいたします。
映画上映後に森さんへの質疑応答の時間もあるそうですので、是非お出掛けください。
 
【 映画 「ぺーパー・ランタン(灯篭流し)」 】
米兵の遺族らとの交流を描いた米国が製作したドキュメンタリー映画
広島ユネスコ協会主催、バリー・フレチェット監督(米国)
※入場無料
日時: 平成30年3月3日(土) 14:00〜15:30
場所: アステールプラザ4階 大会議室A
問合せ先: 090-7132-2284 (事務局)

広島文化賞贈呈式での森さん


受賞者挨拶をされる森さん


著書『原爆で死んだ米兵秘史』