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第8回東アジア音楽祭2017 in ヒロシマ

掲載日:2017年10月16日
 10月28日(土)、29日(日)の二日間にわたり、JMSアステールプラザ(広島市)にて開催される、「第8回東アジア音楽祭2017 in ヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ“日台中韓の交流と創造の祭典”>」について、主催者であるヒロシマ・ミュージック・プロジェクト代表 伴谷晃二先生(作曲家・エリザベト音楽大学名誉教授)にお話しをお聞きしました。
                    
◆まず、東アジア音楽祭を始めたきっかけを教えてください。
 私はこれまで、韓国、台湾、香港の音楽祭等に招聘作曲家として参加し、併せて、それぞれの国の大学や研究機関で講演を行い、交流を深めてきました。また、エリザベト音楽大学では、修士・博士課程の作曲専攻の留学生の指導を行ってきました。その中で、アジアの学生の作品が欧米の学生とは異なり、きわめて明確な独自性と鋭い感性を持っていると感じることが多々ありました。特に日本、韓国、中国、台湾、香港、フィリピン等の国々の学生は、欧米の音楽の影響を受容しながらも、背景に豊かな民俗音楽の調べが多くみられたのです。そのことから、『21世紀は東アジアのアイデンティティの時代になるのでは』と考え、伝統の“継承”と“刷新”の両面から、“これらの国々の作曲家や演奏家、研究者との交わりを通して、<多文化社会と共生>を理解し合い、改めて東アジアのみならず世界の中の日本の現代芸術のありようや関係を捉えてみたいと思いました。

◆次に、今回の見どころを教えてください。
 今回の参加作曲家は日本、台湾、中国、韓国の出身で、国際的に活躍中の方々です。歴史的に古くは、中国―韓国―日本が東アジアの潮流であったと思われます。しかしその中でも、韓国から日本への影響と反映はきわめて大きいことから、今回は、韓国の伝統音楽と伝統楽器の中でも“テグム”と“ピリ”の管楽器を、また日本の伝統音楽と伝統楽器である“尺八”に焦点をあて、それぞれ<レクチャー>を行います。また<コンサート1>と<コンサート2>では、<伝統楽器による室内楽作曲作品展+現代室内楽作曲作品展>を展開します。さらに29日(日)の<ワークショップ>では尺八と三味線を中心に交流演奏も行われます。お楽しみください。

◆最後に、毎回テーマを設けて開催されていますが、次回の構想がありましたら教えてください。
 次回は2020東京五輪の1年前に、「第9回 東アジア音楽祭2019inヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ“日台中韓の交流と創造の祭典“>」として、特に台湾と日本の伝統的な打楽器を中心に[伝統と現代の”響奏“]を捉え検証する予定です。またその際、若い作曲家や演奏家も招聘し、交流が深まれば絆も一層強固なものになることと思います。乞うご期待ください。


第8回東アジア音楽祭2017 in ヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ“日台中韓の交流と創造の祭典”>
日時:平成29年10月28日(土)【レクチャー1】14:00−15:30、【コンサート1】15:45−17:45(予定)/29日(日)【レクチャー2】14:00−15:30、【ワークショップ】15:45−17:15、【コンサート2】17:30−19:30(予定)
会場:JMSアステールプラザ オーケストラ等練習場(広島市中区加古町4−17)
入場料:【レクチャー1&コンサート1】一般3000円(当日3500円)、学生2000円(当日2500円)、ペア券5000円(当日5500円)
【レクチャー2&ワークショップ&コンサート2】一般3000円(当日3500円)、学生2000円(当日2500円)、ペア券5000円(当日5500円)
※全席自由
※未就学児の入場はご遠慮ください。
問合せ先:ヒロシマ・ミュージック・プロジェクト(ともたに)
電話0829-38-2264、携帯090-1359-0215

チラシ


「第7回東アジア音楽祭2015inヒロシマー被爆70周年祈念公演<ヒロシマからのメッセージ>」[レクチャー&コンサート 打楽器による“伝統と現代の響奏”]集合写真


坪能克裕作曲「クリスタルホモロジー」(2015;世界初演マリンバ:松田亜希子 ヴィブラフォン:荻原里香)