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頼山陽史跡資料館 特別展『頼家と広島の医学』

掲載日:2016年10月1日
 江戸時代後期の儒学者・歴史家である頼山陽(らいさんよう)の叔父頼春風(らいしゅんぷう)が家督を継いだ竹原の頼家には、医師であった春風、養子の小園(しょうえん)、その子来洲(らいしゅう)の3代にわたる医学関係資料があり、彼らが地域医療に尽力していたことを伝えています。

 一方、頼山陽の実家である広島頼家では、当時の家庭生活を知ることのできる資料の中に、服用していた丸薬や、幼い頃病弱だった頼山陽にお灸をすえていた母の日記の記事などがあり、民間療法を含めた当時の医療の一端を知ることができます。

 10月14日(金)から頼山陽史跡資料館で開催される同展示では、頼家に伝えられている医学関係資料を中心に、江戸時代後期から幕末にかけての広島の医学史をたどるとともに、頼家の家庭生活から浮かび上がってくる江戸時代の医療の実際を紹介し、当時の人々が病とどう向き合っていたかに迫っていきます。ぜひお越しください。

※写真説明
1枚目:医学書『痘科鍵(とうかけん)』
頼春風が愛用した医学書。感染力の強さ、致死率の高さで悪魔の病気と恐れられた天然痘(てんねんとう)という病気について書かれた本で、治療薬などが記されている。春風による書き込みがある。

2枚目:丸薬『神験丹(しんけんたん)』
広島頼家に伝わる丸薬。紙袋に腹痛・下痢・二日酔い・おこり(周期的に発熱する病気)などに効能があると記されている。

(頼山陽史跡資料館 学芸員)

■特別展「頼家と広島の医学」
【展示内容】頼春風の医学書・薬箱、頼来洲の種痘の記録、『梅し(ばいし:「し」は風に思)日記』、広島頼家に伝わる丸薬(腹痛・下痢・宿酔・瘧などに効能)ほか ※会期中、一部の資料の展示替えを行います
【会期】平成28年10月14日(金)〜12月4日(日)
【会場】頼山陽史跡資料館 展示室(広島市中区袋町5-15)
【時間】9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
【休館日】月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館)
【入館料金】一般300円(240円)、65歳以上240円、小・中・高生150円(120円)  ※( )内は、15人以上の団体料金

■関連行事
(1)文化講演会
【演題】「医師 頼春風の足跡」
【講師】松岡 尚則(東邦大学客員教授、公益財団法人研医会研究員)
【日時】11月3日(祝・木)14時〜
【会場】ウェンディひとまちプラザ6階 マルチメヂィアスタジオ(広島市中区袋町6番36号)
【定員】100名(事前申し込みが必要です)
【費用】無料

(2)展示解説会
【日時】10月29日(土)・11月5日(土)・11月19日(土)13時30分〜
【会場】頼山陽史跡資料館 展示室
【講師】当館学芸員 
【費用】特別展の入館料金が必要です

■お問い合わせ
頼山陽史跡資料館 082-298-5051

医学書『痘科鍵(とうかけん)』


丸薬『神験丹(しんけんたん)』


ちらし