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広島文化賞受賞者に聞く 〜腰本悦二さん(美術)

掲載日:2016年2月1日
第1回は造形作家の腰本悦二さん(東広島市在住)です。

◆広島文化賞の受賞 おめでとうございます。
 明日の希望につながる「広島文化賞」を頂きありがとうございました。「辛抱が肝心、きっと芽が出る」と仰った恩師 福井芳郎先生の鐘の声が響いて胸につまります。加えて、夢見事を言う当方を助け、共に喜悦してくれた多くの友人に、改めて「ひとりでは夢は叶いませんでした。みなさんのお陰です。」とお礼を申し上げたいです。ゆめ水車の下で行水するカラスさん達、水浴びと喉を潤して飛び立つ野鳥さん達にも・・・。

◆「ゆめ水車」に込められた想いや完成に至るまでのエピソード等があればお聞かせください。
 制作前、三角の水車作りについて友達に話したら「回るかいの?」と大笑いされました。確かに、生まれてこの方そんな変な水車は見たことも話に聞いたこともなく、おかしいです。子どもの頃見た水車は四角の箱桶だけが印象強く、くるくる回る水桶から蟹さん親子がいつ転がり出るか、迷いの鮒がいつ跳ね出るかと夕方まで待ったものです。仮に制作するとしても、四角ならみやすい(広島県の方言:簡単・易しい)のではないかと浅はかにも考えました。
 しかし世の中は捨てたものではありません。多くの友人が制作、組み立て、運搬に加勢協力してくれました。しかも頑固一徹な人ばかりで全て人力で!
 完成した時の、苦労者集団の「回った!まわった!」といった、うなるようなうめくような声は今も忘れられません。

◆日頃はどのような活動をしておられますか?
 創作活動のお誘いや発表の機会は限られています。そこで、凡な感性を錆びつかせないように、演奏会や美術展、文楽鑑賞に出掛けたり・・・他面から油差ししています。

◆現在取り組んでおられることや今後に向けて等、ひと言いただけますか?
 当方にとっては構想を練ることが一番なので、木材の模型材料を使って水車の一部を改造制作したりしています。上向き三角形の連結箱・・・きっと水車の上面が小滝のような水渡りになるだろうと考え始めると嬉しくなって眠れなくなります。
 ただ、大きな水車が出来てもイマイチ作だったら無用の長物。これも隠れた悩みなのです。

ありがとうございました。
「ゆめ水車」4作品、直接観てみたいですね!

・「ゆめ水車」−五角形−  町並み保存地区(竹原市本町) 電話0846-22-7745 
・「ゆめ水車」−四角形−  造賀小学校(東広島市高屋町造賀2774-1) 電話082-436-0002 
・「ゆめ水車」−三角形−北の星  宇山地域センター(東広島市河内町宇山1481) 電話082-438-0449 
・ゆめ水車」−三角形・2連−相合い星  道の駅 湖畔の里 福富(東広島市福富町久芳1506) 電話082-435-2110

腰本悦二さん(個人の部・美術)


「ゆめ水車」−三角形・2連− 相合い星


「ゆめ水車」−三角形− 北の星