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広島文化賞受賞者に聞く 〜佐々木卓也さん(地域文化)

掲載日:2015年2月15日
 今回は佐々木卓也さん(広島市佐伯区在住)をご紹介します。
 佐々木さんは、広島の歴史を見つめ直し、その魅力を多くの人たちに伝える幅広い活動を展開されています。

佐々木卓也さん
◆広島文化賞の受賞 おめでとうございます。
 ありがとうございます。
 福山市が本籍の父と尾道市出身の母のもとに生まれ、観音小学校・五日市中学校・広島観音高校を卒業、備後国の血筋を持ちつつ安芸国の恩恵を受け広島県人気質ができました。奈良大学を卒業後、広島大学や京都大学にて研鑽し、専門分野である歴史地理学の観点から郷土広島の文化振興に我が身を投じました。

◆広島にはどのような魅力があると思われますか?
 ひろしまは毛利元就が中国の覇者となり、孫の輝元がはじめて広島城下町を建設した土地です。その後、福島正則の城下整備から浅野長晟以降の藩政が続き、由緒ある城下町として発展を遂げました。その他にも源平争乱、厳島合戦、長州戦争など、幾多の動乱を乗り越えてたくましく発展してきた歴史は魅力にあふれています。このエネルギーが被爆後の都市再生に引き継がれたのだと考えます。

◆現在取り組んでおられることは?
 「ひろしま歴史街道トリップ実行委員会」の座長として、江戸開府400年記念事業で、広島本通商店街振興組合に提案し、路面上に西国街道・旧城下町名・外堀御門名・旧河川名の銘板を敷設しました。実行委員会のモットーは、「歩けば歴史が見えてくる」で、「全てのみち[街道]は広島に通ず」を体験して頂けるよう、各区役所や各公民館や周辺市町へ企画提言しています。『ひろしま八区ぐるっと散策「みち」めぐり』、『広島城北大絵図』、『広島城下大絵図』、『広島城南大絵図』など、全国の政令指定都市の中で、散策用地図の充実度は現在トップの地位を誇ります。

◆散策イベントなどには誰でも参加できるのですか?
 広島市中央公民館(広島市中区西白島町)の「ひろしま歴史街道散策くらぶ」「広島城下町案内衆」は、毎月の定例会には、午前は講演会、午後は散策会、夕刻は交流会となっています。少々会費や参加費が必要ですが、どなたでも家族的な気分で参加できます。
 その他の広島市内の各文化教室でも、出来る限り歴史像を見易く解説しています。
 また、私の企画する歴史探訪ツアーも人気で、毎回楽しく「見る聞く歩くと食べる」を体験できます。

◆最後に一言お願いします。
 皆様が郷土の歴史の恩恵を受け、充実した生活をして頂きたく、これからも県土広島のために、広島文化賞の受賞を糧に数々の活動を行いたい、それが郷土に対する切なる私の想いですね。


 ありがとうございました。
 佐々木さんが企画する歴史探訪ツアーは大変人気で、「見る聞く歩くと食べる」が体験できるそうです。歴史を知ることで今の広島を見つめるきっかけになるかもしれません。今後ますますのご活躍を楽しみにしています。
 3月・4月(予定)には広島文化賞団体の部受賞の広島ウインドオーケストラ代表:荻原里香さんと広島文化賞新人賞受賞の小山田浩子さんのお話をご披露いたします。お楽しみに!

佐々木卓也さん


森信理事長から賞状を授与される佐々木さん


佐々木さんが企画提言している散策地図